地下鉄にのって

地下鉄に乗って (講談社文庫)

地下鉄に乗って (講談社文庫)


反発していた父の知られざる過去と成りを、
地下鉄にのって
過去にタイムスリップするという現象を
経験しながら
知っていく


父親に抱いていた反発心と憎悪、嫌悪が
過去を知っていくなかで
少しずつ解けていく

最後まで父と相入れることはなく
その後のこの一家の行末も描かれておらず
読者に想像を促す形になっている



どんな人にも
今の姿を見て、人の成りを判断するものだが、
誰にでも過去があり、
その子供でさえ、送ってきた人生を知らずにいる
人の過去を知り振り返ることが
その生き方、考えの本質を理解することになるのだと思い
高齢者と接する心構えに通じるものだと
改めて思う