閉鎖病棟

閉鎖病棟 (新潮文庫)

閉鎖病棟 (新潮文庫)


昨年映画化された原作となっている本
精神科病棟に入院している患者たちの日常を
ある殺人事件が起こることで
少しずつ変わっていく

一度「患者」として入院したことで社会復帰の道が閉ざされ、病院がついの住処になってしまう人たち
家族から疎まれ
存在を消され
帰る場所もなくなってしまう

そんな人たちが
いるんだということ

昔行った実習先の精神科病院にも
入院理由や入院前の生活を追うこともできない分厚くなったカルテが
たくさんあった
患者さんは患者さんになっていた

何十年とそこにいることで
そこ以外の生き場所を失っているようにも見えた